PCパーツ  CPU 2

CPUの性能を判断する要素に、クロック周波数、コア数・スレッド数、TDPなどがある。

CPUの動作は「クロック」と呼ばれる周期的な信号となっている。クロック周波数と言うのはその「クロック」が1秒間にどれくらいあるかを表した数字だ。MHzやGHzが単位となっている。(現在のCPUはほとんどGHz単位で表示されのが普通になっている。)
CPUは このクロックに合わせて処理や作業を行っているためクロック周波数が高いほど 処理できる量や回数が多く、処理スピードが速くなる。そのため以前はこのクロック周波数がCPUの性能を判断する一番大きな要素だったが現在のCPUは「マルチコア化」がすすみまたキャッシュメモリなどの構造の複雑化もありクロック周波数だけではCPUの性能を判断する事はできなくなっている。言えるのは仕様や構造が同じ場合クロック周波数が高いCPUの方が高性能だと言うことだ。

CPU の中心部分であり、実際に処理を行うところが「コア」と呼ばれる部分となる。もともとコアは、1つの CPU に1つの物だったが半導体の制作工程の小型化が進むことにより1つの CPU の中に複数のコアを持たせることが可能になった。このように複数のコアを持ったCPUを「マルチコア」CPUと言う。2つのコアがある物は「デュアルコア」、4つのコアを持つ物なら「クアッドコア」と呼ばれる。さらに6コア、8コアなどコア数は増えていく傾向になっている。

複数のコアがあると言うことはCPUが同時に複数の作業を処理することができると言うことで作業の効率化が進み、処理が速くなる。最近ではOSやソフトウェアのマルチコアへの最適化が進みマルチコア化のメリットが大きくなっている。

またハイパースレッディングと言う技術により1コアを、OS側からは2コアに見せて処理速度を向上させる事ができるようになっている。ハイパースレッディングによってできた擬似的なコアがスレッドと呼ばれる。例えば2コア4スレッドと記載されているCPUならば2コアでも4コアとほぼ同等の能力を持っていると言う事になる。ハイパー・スレッディング・テクノロジーが採用されマルチコア、マルチスレッド化が進んだCPUが最近の主流になっている。

もう一つCPUの性能を判断する大きな要素にTDPと言う物もある。
TDP と言うのは、Thermal Disign Power の略で日本語で表記すると熱設計電力となる。CPU の設計上想定される最大放熱量を表す数字だ。(単位は W(ワット))

単純にクロック周波数を高くしたりマルチコア化を進めるほどCPUの放熱量は大きくなる。しかし熱が大きくなることはトラブルの元でもありファンの音などの問題も出てくる。CPUの性能を判断するためには性能とTDPのバランスも重要な要素になる。

また省エネのパソコンや静音パソコンを望むならできるだけTDPの低い物を選ぶのが良いかもしれない。

 

PCパーツ  CPU 1

パソコンを構成するパーツの中で一番メインになるのがCPUだ。CPUと言うのはCentral Processing Unitの略で日本語にすると「中央処理装置」と言う事になる。

パソコンはハードディスクなどの記憶装置に保存されているソフトウェアやデーターとマウス、キーボードなどから入力される処理命令や新しいデーターをCPUで「制御・演算」処理しその結果をモニターやプリンターなどの出力装置に表示すると言う形で動作している。つまりCPUの処理能力がパソコンの性能を決めていると言っても良いだろう。

現在パソコン用のCPUを製造しているメーカーは、インテルとAMDの2社しかない。インテルが圧倒的なシェアを占め、かろうじてAMDが割り込んでいるという図式になっている。

パソコン自作 自作に必要なパーツ

パソコンを作る、と言う事になると、まずはパーツ選びから、と言う事になる。

 

まずその前にパソコン自作について書いてみよう。

パソコンを自作する、と言っても別に基盤の設計から始めそこにパーツを一つ一つ半田付けしていく、なんてことではない。(そう言えば中学生くらいの頃そんな感じでトランジスタラジオを作ったことがあったなぁ。半田付けが下手すぎて基盤がごてごてになってしまって・・・。父親に助けて貰った。それでも音が出たときは嬉しかったな。2度とやろうとは思わなかったけれど(笑))

パソコン自作とは、(コンピューターメーカーやパソコンショップなどではなく)ユーザ個人が、パソコン用の各種パーツ(マザーボード、CPU、メモリ、ストレージ(ハードディスクやSSDなど)、光学ドライブ、各種拡張カード、PCケース、電源、など)を選択調達し、それらを組み立てること、である。

現在一般に使われているパーソナルコンピューターのほとんどはPC/AT互換機と呼ばれる規格の物になっている。その規格によりコンピューターを構成するパーツの種類とそれらを繋ぐコネクタなどに一定の基準が定められており使用可能なパーツならば簡単に接続できるようになっている。そしてそのような各種のパーツがPCパーツショップで販売されているのだ。

自作が行われ始めた頃はメーカー製のパソコンは高価な物で価格的にもメリットがあったが現在では完成品のパソコンの低価格化も進み自作したからと言って安上がりに済む、とは必ずしも言えなくなっている。では、自作のメリットは一体何か、と言うとやはり自分の好みで仕様(スペック)を決められることが一番大きいのだろうと思う。そして一度制作したパソコンをさらにカスタマイズしたりアップグレードしたりしていくのも楽しみのうちに入るだろう。

 

自作に必要なパーツは次のようになる。

CPU

マザーボード

メモリー

グラフィックボード

ストレージ (ハードディスク、SSD、光学ドライブ )

PCケース

電源

 

パソコンを自作するのに必要なパーツはこれくらいだろう。(もちろんモニターとキーボード、マウスは用意しなければいけない。)
あと、機能を追加したい場合各種の拡張カードや追加バーツを付け加えていくことになる。

 

あっ、それとパーツではないけれど、いわゆる「OS」と呼ばれるソフト(多くの人が使っているのは「Windows」だね。無料で使える「Linux」なんて選択もあるけれど。)も絶対に必要な物だ。

 

次回からそれぞれのパーツについて順を追って説明していこうと思う。

Ryzen 5で新しいパソコンを作ろうか

そろそろパソコンを新しくしたいなぁ。そんなことを強く思い始めたのは去年の年末くらいからだろうか。
いや、まだまだこのままで使えるよ。自分自身に言い聞かせるようにそう呟いてみては苦笑い。こういうことはなかなか思い切りがつかない。何か大きなきっかけが必要な物なのかもしれない。

そんなことを思い始めたのは、その少し前友人から、買ったばかりだというSurface bookを見せてもらってからだった。

 

 

薄くスタイリッシュなデザイン。独自のSurface Penを使って自在に文字や絵を描くことができ、ディスプレィ部分だけを切り離して、それだけでタブレットとしても使えるという機能性。CPUがCore i7で、512GBのSSDに、メモリーが16GB、・・・もの凄いスペック。この小さな筐体の中にこれだけの物が詰め込まれていると言う事に唖然としてしまいそうだった。

まあ、タブレットとして使えると言うことやSurface Pen等はすごいとは思いつつ私にとっては特別必要な機能とは思えない。それよりも驚いたのはSurface bookの速さだ。まずWindowsの起動が速い。スイッチを入れてしばらく。あれっ、もう使えるの?という感じ。私のパソコンならまだ当分はスタートアップの読み込みに手間取っているだろう。それにソフトの起動もとんでもなく速い。一番ショックを受けたのが友人がAdobeのPhotoshopのアイコンをクリックした時だった。アイコンをクリックするとPhotoshopのロゴが描かれた画像が立ち上がり色々なファイルが読み込まれてソフトが起動する。その一連の動きが素晴らしく速いのだ。私のパソコンならまだファイルの読み込みが始まるかどうかくらいのタイミングでもうソフトが起動している。えっ・・・。思わず絶句してしまった。それは最新の高性能のパーツを使えば速くなるだろうとは想像していた。しかしそれにしてもこんなに違う物か・・・。

 

 

私が自分のパソコンを持って仕事に使ったりインターネットなどを楽しむようになったのは1999年からだった。最初のマシンは弟から貰った古いNECのノートパソコン。そのノートパソコンのスペック、能力に限界を感じたとき興味を持ったのがパソコンの自作だった。

雑誌やウェブサイトで色々と情報を集め悩みながら(楽しみながら)パーツを選ぶ。その時選んだのがAMDのDuron(900MHz)と言うCPUだった。以来自作したパソコンは6台か7台。使用したCPUは、Duron 900、Athlon 1200、Athlon XP 2000+、Athlon XP 2500+、Athlon Ⅱ X2 5050e、Phenom Ⅱ X4 940、A8-3870KとすべてAMD製品。何故か私にとって「パソコンを新しくする」と言うのはAMDのCPUで自作する、と言う事になってしまっている。(別に絶対そうしなければいけないと言うわけでもなく、何かの理由があって固い決心をしたというわけでもない。ただなんとなくそうなってしまっているし多分これからもそうだろうと思うのだ。あくまでただなんとなく、なのだが。)

しかしもう5,6年新しいパソコンを作ってはいないな。

友人のSurface bookと同じような性能を自作パソコンで実現するには何が必要なのだろう。(もちろんSurface bookの独自の機能は実現できるわけもないしその必要も感じない。あくまであのとき思わず絶句してしまったOSやアプリの起動や動作の速さと軽さの部分だ。)
一番重要なのはCPUの性能だろうか、マザーボードの性能? それともストレージにSSDを使っているのが大きな要素なのか。いや16GBも搭載されたメモリーの余裕が大きいのかもしれない。・・・。今使っているパソコンの一部のパーツを変える事で少しは近づけることができないだろうか。

ある時、札幌駅の近くにあるPCパーツショップで最近のパーツはどんな物かなどとぼんやりと眺めていたとき声をかけてきた店員にその事を聞いてみた。
「Surfaceですか。そうですね、どれが、と言うと・・・、・・・全部でしょうね。」
「CPUも内部のメモリーの構成などずいぶん進んでいますし、SSDの性能も上がっています。メモリーの搭載量も重要です。それにSurfaceはなんと言ってもMicrosoftの製品ですから、設計段階からWindowsに最適化されていると考えて良いと思います。」
Windowsに最適化、か。なるほど。(それにしては友人からSurface bookの使いずらい点を何点か聞いてはいるが・・・。まあ、いいか。)

とりあえず今使っているパソコンの一部のパーツを変える程度では劇的な変化は期待できないらしい。だかすべてを新しくするにしてもその時点ではAMDのCPUにはあまり魅力的な物は無いようだった。インテルのCore i7ならかなりの部分実現できるかもしれない。Core i5だってかなり高性能なパソコンができるだろう。しかし今更インテルか・・・。別に理由があるわけではない。ただ、今更なぁ・・・。気分の問題だけではあるのだが。

 

2017年3月3日、AMDから新しいCPUが発売された。Ryzenだ。発売日、東京・秋葉原のPCパーツショップで深夜販売イベントが実施され、店頭に行列ができた。PCパーツでは何年ぶりかの大きな話題だった。前評判だけに終わってしまう?いや、Ryzenばどうやら本物らしい。その後あちこちのウェブサイトに公開されたのレビューなどもなかなか高い評価が続いている。しかし3月に発売されたRyzen 7は一番価格が安い物で4万円前後。私のパソコン用には少し贅沢か・・・。(まあCore i7を使うと考えれば妥当な価格なのだが。AMDの最大の持ち味はなんたってコストパフォーマンスのはずだ。・・・(笑))

2017年4月、Ryzen 5販売開始。Ryzen 7の1800X、1700X、1700が8コア16スレッドに対しRyzen 5は1600X、1600の2つが6コア12スレッド、1500X、1400の2つが4コア8スレッドになっている。価格が2万円前後から3万円前後くらい。4コア8スレッドで2万円程度の1500Xや1400ならCore i5と同じくらいの性能がかなり安く手に入る。3万円前後の1600X、1600ならCore i5と同程度の価格でCore i7クラスの性能が得られそうだ。

私に必要なスペックと考えれば4コア8スレッドでも贅沢品だろう。もう少し待ってRyzen 3が出てからにするか。しかしRyzenの一番の長所はマルチコアでの性能らしい。Ryzen 7の8コア16スレッドは無理でもRyzen 5の6コア12スレッドが欲しいな。Ryzen 3は4コア4スレッドとのこと。それは少し面白くない。

 

「そろそろパソコンを新しくしたいなぁ」が、いつの間にか「Ryzen 5で新しいパソコンを作ろうか」に変わっていた。