PCパーツ  PCケース

PCケースの寸法は、マザーボードのフォームファクターに準じた形になっている。自作パソコンの場合、マザーボードはATX、microATX、Mini-ITXの3種類がほとんどなので、PCケースもこれらのマザーボードに対応している。形状はフルタワー、ミドルタワー、ミニタワー、キューブタイブ、スリムタイプ等に分けられる。自作パソコンで使われるのはフルタワー、ミドルタワー、ミニタワーの3種が中心になる。キューブタイブやスリムタイプはMini-ITXマザーボードを使ったパソコンに多く、拡張性はほぼ無いに等しいので趣味の自作には向かない。省スペースタイプが欲しいという場合は選択枝になるだろう。

フルタワーは全高が550mm以上あるタイプでハイエンドパソコンやサーバーなどに多く使われている。ATX、microATXのマザーボードが使用可能。拡張性は十分だがサイズが大きくな理過ぎるので一般ユーザーには向かない。

ミドルタワーと言うのは高さ450mm前後のケースでほとんどはATX、microATXのマザーボードに対応している。自作パソコンではこれが一番多く使われている。

ミニタワーは高さ400mm程度の小型のケースでほとんどはmicroATXのみの対応となる。ミドルタワーに次いで使われることが多いが内部のスペースや拡張性はあまり期待できない。これも省スペースパソコン用と言うことになるだろう。

ケースを選択するためには、使用できるマザーボードの種類、5インチベイの数(光学ドライブなどの取り付けスペース)、3.5インチベイの数や3.5インチ、2.5インチシャドーベイの数(ハードディスクやSSDの取り付けスペース)、拡張カードスロット取り付け部、搭載されている冷却ファンの数や搭載可能な冷却ファンの数、を調べることが大事だ。またCPUファンやグラフィックボードは高性能な物などではかなりサイズが大きくなるので使用する物のサイズが収容可能かも注意する必要がある。

パソコンは高性能な物ほど発熱が大きくなる。PCケースはその内部の発熱を抑える冷却性能が要求されるが、外部との通気性が高くなったりファンが多くなったりするほどに音も大きくなる。静音と冷却性能は矛盾する物だ。どちらを優先するか。それも自作パソコンのパーツ選びの重要な要素になる。

PCパーツ  マザーボード

CPUにはそれぞれの規格に沿ったソケット形式があり、その形式に適合したソケットを使ってマザーボードに装着される。

ソケット形式にはインテルならLGA775、LGA1156、LGA1155、LGA1150 etc 、AMDではSocketAM4、SocketAM3/AM3+、Socket FM2などがある。

またそれぞれのソケット形式にはそれに適合したチップセットと呼ばれるパーツがある。

インテルCPUにはZ270、H270、B250、Z170、H170、B150、H110、X79、Z77、H77、B75、Z68など,
AMDでは、 X370、B350、A320、990FX、970、A88X、A78、A68H、A58など。
(チップセットは2017年現在ではぼすべてCPUの製造メーカーで作られている。インテルのCPUならインテル製のチップセット、AMDのCPUならAMD製のチップセットを搭載したマザーボードを使うことになる。)

 

マザーボードは別名メインボードとも呼ばれコンピューターのもっとも主要な部分を構成するパーツだ。コンピューターの頭脳の部分を担っていると言われるCPUは、しかしそれだけではただ単純な計算を高速で処理する部品に過ぎない。記憶装置に保存されたOS、アプリケーションなどのソフトウェアやデーターとキーボードやマウスなどの入力装置から入力された新しいデーターや制御信号をCPUに送り、そこで処理された結果をモニターや外部機器に受け渡すのがマザーボードの果たしている役割になる。

そのマザーボードの中で最も重要な仕事(CPUと他パーツの「橋渡し」を担っている部分)をしているのがチップセットだ。
チップセットは通常ノースブリッジ・サウスブリッジと呼ばれる2つで構成されている。(「橋渡し」をするパーツなのでブリッジと呼ばれる、らしい。)
ノースブリッジは、メモリやグラフィックボードなどのより動作が高速なパーツの制御を担当している。サウスブリッジとCPUとの間のデーター転送の制御もノースブリッジの仕事になる。
サウスブリッジは、ハードディスクやSSD、光学ドライブ、拡張カード、USB機器、キーボード、マウスなど、比較的低速で動作するパーツの制御を担当している。

最近ではCPUの内部にグラフィック機能やノースブリッジ機能が組み込まれた製品が増えておりチップセットもサウスブリッジみのシンプルな構成のマザーボードが主流になりつつある。

自作パソコンで使用するマザーボードやPCケース、電源などのパーツの多くはATX、MicroATXと言う構造規格(フォームファクタ)に沿った物になっている。
(省スペースパソコンなどではMini-ITXと言う別の構造規格(フォームファクタ)を採用している物もある。)

そのためサイズやコネクター類などが共通で同じ規格の物ならメーカーが違っても組み合わせて使うことができる。
(ATX規格の製品ならATX、MicroATXすべての物と組み合わせられ、MicroATX規格の製品ならMicroATXすべての製品と組み合わせられる。)

マザーボードにはパソコンに繋がるすべての機器のための入出力端子が装備されている。
メモリースロット、PCIやPCI-Eなどの拡張スロット、映像出力端子、SATA(ハードディスクやSSD、光学ドライブのための入出力端子)、USB、LANなどの外部機器入出力端子、キーボードやマウスのためのPS/2コネクタ、オーディオの入出力端子など。

マザーボード01
マザーボード上のソケット、スロットなど
マザーボード02
マザーボード 外部機器用入出力端子

 

マザーボードはASUS(エイスース)、GIGABYTE、 MSI、Asrock、Biostar、などのメーカーがインテルやAMDからチップセットの提供を受け製造・販売をしている。同じチップセットを採用したマザーボードでも、製造メーカーによりマザーボード全体のデザインや機能性能に違いがある。

マザーボードを選ぶためにはまず使用するCPUを決め、そのCPUにあったソケット形式と使用可能なチップセットを採用したマザーボードの中から自分の好みや使用する目的などに合わせサイズ(ATXかMicroATX、あるいはMini-ITX)、入出力端子の種類と数(特にメモリースロット、拡張スロット、ハードディスクやSSD、光学ドライブのための入出力端子、などの種類と数は重要)、製造するメーカーなどを参考に絞っていくことになる。

どんなパソコンになるのか一番の決め手はマザーボードの選択かもしれない。